ヤクくれよ、ヤク

明けない夜はないという言葉が、こんなにも身に染みた朝はありません。
栗頭先生と20時にベッドに入り、6時間の歯痛殿下にもてあそばれながら、救急車を呼ぶことを考えました。救急車に乗れば、あっという間に適切な処置をしてくれる魔法使いたちのいるお城に連れて行ってもらえて、痛みはすうっと遠い空の彼方へ飛んで行くに違いありません。魔法の馬車を呼んじゃいますか。
しかしながら、救急の歯科というのはあるのでせうか?それにわたしが欲しいのは、明日の予約の12時まで持ちこたえられるだけの痛み止めなのです。これで夜間の救急外来に行くなんてコンビニ受診もいいところです。
歯が痛いというのは本当につらいことなのに、あのスコップ持って尻尾が三角の黒い虫歯菌のビジュアルのせいで、どうも軽い感じがしますよねぃ。頬が赤く腫れるなんてかなりの重症だと思うのですけれど、やっぱり笑える。あの虫歯予防週間に散々描かされた絵が憎い。
どうにか持ちこたえ、再び歯科に出向いたわけですが、もしかしたら神経抜かれちゃうかも…というドキドキはあっさり肩すかしを食らい、化膿止め・腫れ止め・ロキソニンの3点セットをもらうだけに終わりました。ロキソニン…ばかにして悪かったよ。君がいちばん効く。こんなに愛しいと思ったことはないですよ。
こうして薬の写真を撮って日記にあげちゃうと、なんだか自意識過剰な10代風味でちと恥ずかしい気持ちになりますが、その内容が実は対虫歯の薬であるという事実に更に恥ずかしさが増すことに気づきました。一人羞恥プレイですが、歯痛殿下が襲ってこなければそれでいいんです。贅沢は申しません。あ、栗頭先生の体重が2kg増えるという悪魔との契約書はなしの方向で一つ…。
@魔法薬の前