ヘルメット配給

一人暮らし時代は呼鈴が鳴っても決して応答しませんでした。たとえ明かりがついていようとも、たとえTVの音が漏れていようとも、「わたしはTVやいろんな電化製品をつけっ放しにしてちょいとコンビニに行ってしまうような非エコな女です」と心で言い訳をして、息をひそめていました。
二人暮らしになり、“部屋”ではなく“家”に住むようになると、町内会だとかで近所の人が極々稀にやって来ることもあり、呼鈴には応えるようになりました。
今なんて、呼鈴壊れているから、ノックに返事しながらドアを開けます。この大阪でなんと不用心な。
今日もノックにがちゃりとドアを開けましたらば、町内会の同じ班だという人がやってきました。勿論、初対面。顔も知らなきゃ、家がどこかもわかりません。
彼女が言うには、町内会に入るとヘルメットがもらえるそうです。どういう用途に使うのか聞いてみたい気もしたのですけれど、深くは突っ込まず、AraiとかSHOEIとか書かれているべきところに町内会の名前の入ったヘルメットを笑顔で受け取りました。
よくよく考えてみりゃあ、うちげは支給されなくてもヘルメットは家族の人数分以上あるんですよね。栗頭先生にだって、姪ッ子様からのお下がりヘルメットがあるですよ。
…もしや、栗頭先生が巨頭過ぎて姪ッ子様ヘルメットなんてすぐにサイズアウトするだろうから、と親切めいた手の込んだ嫌がらせですか?試しにかぶらせてみたら、ぶかぶかだったのでほっとしましたよ?
どうも巨頭は疑心暗鬼になってしまうです。小顔なんて望みませんから、人並になりますように。
@町内会員の証前